優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

俺は一応、教科書だけを出し、窓の外を見つめる。

何のヘンテツもない景色だが、毎日、見てたら日課だ。

古びた旧校舎…
1年が授業中の運動場…
テニスコート…
バレーコート…
体育教官室に体育館…
そして、校門。

人通りが少ない道。

なのに、一台の黒いミニバスが止まった。

スーツ姿のイケメンだ。

男から見てもイケメン。

…何で…ここに?

隣のクラスの美人と騒がれる“片桐葵衣”をスカウトしに来たとか?

何て思って居ると、白衣を来た、養護教諭の村内が、スクールバックを片手に、校門へ走って居る。

そして、イケメンに渡した。

イケメンと村内がどこかを見て居る。

視線の先には、ポニーテールの女……遊だ。