優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】




―――料理を食べ終え、京滋君と舞子ちゃんは、「休憩し過ぎた!」と部屋を飛び出して言った。

私と基槻はコーヒーを飲んで、穏やかな時間を過ごす。



「騒がしいカップルだよな」



「うん。でも、舞子ちゃんが幸せそうで私も嬉しい」



私は舞子ちゃんからサービスで貰ったムースタイプのチーズケーキにスプーンを入れた。

基槻にはなし。



「一言、いる?」



「ん」



基槻は私が掬ったふわふわのチーズのムースを食べる。

カップタルトは私が食べる。



「…何気、美味いな」



「“何気”って(笑)」



私は基槻を笑いながら見る。

基槻はため息を吐き、窓から桜の木を見た。