優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

「社割引、使うから許せよ!」



それから京滋君はバイトや大学の愚痴を溢し始めた。



「剛と学部が違って会えないしな」



剛君と舞子ちゃんは教育学部で、京滋君は経済学部に通っている。

大学で出来た友達とは、表面的な付き合いしか出来なくて、つまらないみたい。

私もそうだったけど、それが親友と友達との違いではないんじゃないのかな?



「剛君、どうしてるの?」



私は京滋君の話が飽きてしまい、舞子ちゃんに話を振った。

すると舞子ちゃんは苦笑いをした。

京滋君は制服であるベストと、ワイシャツの襟元のボタンを外して、煙草を吸い出した。