優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

「彼氏?(笑)」



妃ちゃんがニヤニヤとしながら訊いて来た。

私は「まぁね…;;」と返しながら、明日のお迎えの号車の一覧をホワイトボードに書く。



「貴子ちゃんは菜月ちゃんとペアか…」



「どうかした?」



「新人で小池さんて子が入るから一緒で良い?」



「良いよ!」



私は貴子ちゃんの許可を貰い、ホワイトボードの2号車の部分に“小池”と書き足した。

明日、私は送迎がないんだ。

信子さんのデスクの横にある引き出しから、教育表を取り出し、明日の指導範囲を確認。



「遊ちゃんも成長したんだね。
介護士になっちゃったし!」



貴子ちゃんは私をうっとりとしたような顔で見て来た。

貴子ちゃんは私の2歳上だけど、同期。