優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

「亜美ちゃん、配膳しないと!」



何もせずに居た亜美さんを働かせる信子さん。

さすがベテランだ。

私は薬の入ったケースを宮迫さんに渡し、入り口に近い1番テーブルへと走った。

エプロンを付けたり、食べやすいように、お皿を手前にずらすのも、仕事の一つ。

茉莉さんは博美ちゃんと緒川さんに教えられながら、仕事をこなしてる。



「では、準備が出来ましたので、皆さん、頂いて下さい」



信子さんの合図で、利用者さんたちは、頂きますと食べ始める。



「遊ちゃん、はい!」



「あ、ありがとうございます!」



厨房の責任者、西ーニシーさんが、私のマグカップを持って来てくれた。

スタッフのコップは自前なんだ。

コーヒー出しの時は、利用者さんと同じ、ここの施設にあるマグカップなんだけど。