優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

私は渡部さんが3日でちょっとは慣れてる事を確信し、口出しを止めて、見守る事にした。

無知な人だと、わりと飲み込みが早い事はわかってた。

余分な知恵とかがあると、人に教えて貰った事が、頭に入りづらいんだ。



「今日も青空デイサービスをご利用頂き、ありがとうございます!今からね、青空デイの方に向かいますので、よろしくお願いしまーす!」



私は笑顔でみんなの顔を見渡し、前を向いた。



「今日は利用者さん20人でしたっけ?」



「そうよ。珍しく少ないのよね」



信子さんと会話をしながら後ろへ耳を済ますが、渡部さんの声が聞こえない。

聞こえたとしても、利用者さんに聞き返すばかりだ。