優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

それが決まれば、号車ごとに色が決まっていて、1号車は青。

青の番号のタグが付いた、利用者さんの荷物に付ける札を準備し、私はパートさんの渡部ーワタベーさんに声を掛けて、1階に降りた。

渡部さんは入って3日目。

今は利用者さんの顔と名前を覚える事、トイレや車の乗り降りの介助の仕方を学ぶ事に集中して貰ってる。



「信子さん行けますかー?」



1号車のドライバーは信子さん。

私もたまには運転するけど、本来は4人の男性ドライバーさんがいるんだ。

今日は1人、休みみたいだ。



「大丈夫よ。行きましょうか」



私たちは緒川さんに「行ってきます」と言って、裏に出て、1号車へと乗り込んだ。