お兄ちゃんを見送り、着替えを済ませて戸締まりを済ませると、あっという間に7時55分になって居た。
私は慌てて髪をポニーテールにし、玄関を出た。
まだ深川君が来て居ない。
少し悪寒がし、「ハックションッ」と、またくしゃみをして居ると、深川君が現れた。
「おはよう」
「おはようございます…」
私は口を押さえていたハンカチをスカートのポケットにしまいながら、頭を下げる。
昨日と同じように手を繋がれそうになるが、私は手を引っ込めた。
「遊?」
「あの……周りの子の目が怖いので…」
深川君はモテる。
学年1モテる人。
こんな私が彼女だとしたら、間違いなくイジメに遇う。
それだけは嫌。

