優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

私は「傷付けません!」と言って、まだ汚れてたテーブルを台拭きで拭く。

基槻は「天然なヤツほど危ない」と漏らす。



「“天然なヤツ”って何?」



「………早く食べないと遅刻するぞ?;;」



…また、流された;;

私は「うん」と言い、聞き返さずに朝食を食べた。

―――7時50分。

一番最初に私は出勤する。

職場まで車で30分は掛かるし、勤務の開始時刻が8時半だから、これでも遅い方だ。



「行ってきます!」



「気を付けてな」



9時出勤の基槻に見送られ、私は家を出た。

お兄ちゃんの形見となったエルグランドに乗り込み、職場へ。