優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

「わかったけど…デカクない?」



「大丈夫だよ。デートの時、乗ってるから!…行きしか運転しない彼氏のお陰で(笑)」



「―――ブ…ッ!!;;」



私の厭味に、お味噌汁を吹き出した基槻。

お父さんは笑いを堪えながら、「汚ないな(笑)」と、ティッシュを箱ごと渡してる。



「それなら良いんだけどね。
基槻も男なら帰りも運転しないとね。身長にはピッタリな車なんだから」



お母さんは焼き立ての鮭の切り身をテーブルに並べる。

私は椅子に座り直し、「いただきます」と手を併せた。



「傷付けたくねぇし、仕方ない。
遊が傷付けたとしたら、風君も怒らないと思うし」



どうして私が傷付けると前提されてるの?