優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

…何で流されたの?

私は首を傾げながら、味付け海苔の袋と箸立てを持って、キッチンを出た。

基槻の隣に座り、おぼんに乗せられたままのご飯と箸をお父さんと基槻に渡す。



「「いただきます」」



2人はお味噌汁がまだ来てないというのに食べ始めた。



「あ、遊!仕事、何で行くの?
何ならお母さんが送ってくけど」



お味噌汁を取りに行った私に、お母さんが訊いて来た。

基槻はお父さんの「セルシオで行く」って、昨日から話してたっけ。



「大丈夫。お兄ちゃんの車で行くから!」



私が出掛ける時、大抵はお母さんのキューブだけど、平日はパートがあるしね。