優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】




お兄ちゃんが亡くなり、3日目。

今日は告別式。

親族席には私と、お願いして座って貰った和人さん。

例え親子でも、私は両親は親族席には座らせなかった。

お兄ちゃんが買ってくれた、ブカブカだった制服も、今ではキツくはないけど、丈が小さくなっていた。

私は基槻たち家族や、舞子ちゃんが見守る中、私は開けられた棺の前に立った。

花を入れ、紺色に赤いリボンが巻かれた箱から、クリスマスプレゼントの ネクタイを取り出した。

ブルーに白のストライプが入った、お兄ちゃんに似合うと思って買ったネクタイ。

胸元にそっと置き、組まれたお兄ちゃんの手を握り、最後の握手をした。