優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

「何でだよ…っ…何でだよ…っ!
“また呑もう”って、約束したじゃねぇかよ…っ…!!」



和人さんは処置台の下に崩れてしまった。

俺は遊を抱き締めながら、風君を見てると、目尻から落ちる、一筋のキラリと光る涙を見付けた。

≪基槻。遊をよろしくな…?≫



「…っ…、」



俺の耳に確かに届いた風君の声。



「……うぅっ……」



俺は歯を食い縛り、遊に負けないほどの涙を流した。

…守る…。

ちゃんと、守って行くよ…。



「……ふ…う君…ッ……」



―基槻 SIDE END―