優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

その姿にみんなは声を潜めて泣き、俺は天井を見上げた。

堪えようとしても流れる涙が止まらない。



「お兄ちゃん…!お兄ちゃん…っ…!!」



掛ける言葉は誰にもない。

抱き締める事しか出来ない。



「…遊ちゃん――ッ!!」



そこに現れた、1人の男。

遊が連絡してた人だろうか。

息を切らしたまま、遊の姿を見て、目を見開き、処置室に飛び込んで行く。



「…風…おい、風――ッ!!
何してんだよ!遊ちゃんが結婚するまで守るんだろ!バージンロードを一緒に歩くんだろ…っ!?」



涙を流しながら、風君の身体を揺すってる。

直感した。

風君の唯一の親友。

和人さんだって…。