優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

嫌に決まってる。

住みたいわけがない。

祖父母を含めた4人暮らしも、
お兄ちゃんと2人暮らしも、楽しいモノだった。

それがいきなり現れた両親と暮らす?

…あり得ない…。



「そうだよな…」



お兄ちゃんは赤信号で止まりながら呟いた。

私は基槻に「ごめんね…」と伝えた。

両親からの留守電を言えてなかった。

あんな場面に付き合わせてしまった。

しかも、まさか家に住まわせてくれるなんて…。



「俺は、“ごめん”が聞きたくて、2人を連れ出したんじゃねぇよ」



…うん…。

私は下唇を噛み、涙を堪えて頷いた。