優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

―基槻 SIDE―



『―――わかった。すぐ帰るな?
基槻、それまで遊を頼んだ』



「気を付けて…」



遊ん家の、リビングに繋がる薄暗い廊下。

俺は風君の電話を終わらせると、携帯を閉じながら、階段の螺旋を描く柱に凭れた。

リビングには、暗い顔の遊と…
遊の両親が居る。

居ないのは知ってたけど、まさか生きてるとは。

遊の表情を見ればわかる。

付き合い初めの時とは違い、生きてる事を、いつからか知っていた、と。

俺はため息を吐きながらリビングを通りキッチンへ。

勝手に、しかも人生で初めてお茶を淹れた。

…ちょっと濁ってるけど良いか。