優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

両親が居ない事や、兄貴について話した遊の横顔や、夕陽に負けない位、赤くなった顔が。

新鮮味があったからか?

それとも、家庭環境を聞いたからか?

…わっかんねぇ…。

俺は姉貴と風呂に入りに行く陽を見送り、部屋に行き、直ぐ様、携帯を取る。

ーープルルルル…

繋ける相手はただ1人。

―――剛だ。



『もっしー?どうだった?(笑)』



…開口一番がそれか?

俺はベッドに倒れ込みながら、口を開いた。



「付き合えた」



『マジ?てか、当たり前だよなー!基槻にコクられて“ごめんなさい”て言うヤツは居ない!』



「そうか?」



『当たり前だろ!!』



…んな、叫びながら断言されてもな;;

俺は苦笑しか出来ない。