私たちが沈黙の中、周りの席は賑やか。



「無理に信じてなんて言わないけど、兄貴である風を信じなければ、遊ちゃんは何を信じるの?
ご両親が会いに来たら、遊ちゃんはどう向き合うの?」



ごもっともな指摘に、私は返す言葉を完全になくした。

和人さんは、「2人の生活を守りたいなら、風の手をちゃんと掴んでないと」と言う。



「そう、ですよね…」



私はストローを銜えながら和人さんを見た。

和人さんは「聞き分けがわりと良かったね」と、ニヤリと笑った。



「私はお兄ちゃんと違いますから!」



「いや、十分、頑固の要素があったよ(笑)」



私は和人さんにつられて笑う。