基槻を送り届け、家に帰ると、留守電が一件、入っていた。

私は鞄をソファーに置き、留守電の再生ボタンを押す。



『……もしもし、お母さん…?遊子ーユウコーです。風人ーフウトーと日本に帰る前に、また電話します』



ーーピー…ッ

…何、コレ…。

どういう事?

私は言葉を失った。

両親が居ない=亡くなったと思ってた。

…生きてるの…?

だとしたら、嬉しい事なのに、嬉しくなかった。



「遊。風呂、先に入って良いか?……遊?」



私はお兄ちゃんを見つめた。

お兄ちゃんは、もしかして知ってた?