駅員が不思議そうな目で、時折こちらを眺める。

はぁ。

後、10分待って来なかったら帰ろう。

そう思って遠くに目をやると一台の軽トラックが田畑の間を軽快に走ってるのが見えた。

ああ、人いたんだ。

この一時間で駅員以外の人を見たのは初めてだった。

……むしろ、あれが迎えじゃなかったら帰ろう。

そう思い見ていると、軽トラックはこちらに向かって走って来ているようだ。

乗っているのは、二十歳くらいの男で頭にタオルを巻いている。

顔に見覚えはない。

が、こちらに向かって手を振っているので俺の待ち人に違いないだろう。

顔だけはにこやかに手を振り返しておく。