中へ入って コーヒーと特製ケーキを注文する。

運ばれて来たケーキを見て 美咲が歓声を上げた。

「大きい・・・・」

「だろ?」

少しうれしそうに 智也は笑うと 豪快にケーキにかぶりついた。

「確かに甘党だわ・・・」

そう呟いて ケーキをぱくつく智也を見て 美咲が呟いた。

「マコなんて ここへ来れば 2~3個は平らげていたぜ。」

「えっ・・・・・これを2~3個??恐るべき胃袋・・・・・」

「その程度でおどろくなよ・・・ここの 軽食メニューは軽食じゃねぇ~
 みたいなね・・・だから 結構 大食いの男連中が多いんだ。」

隣のテーブルで注文されたトーストの厚い事・・・・

アイスココアの生クリームの量も半端じゃない・・・・

健康なときは 食べ盛りを自称できるくらい マコも良く食べたのね・・・

この喫茶店にも おいしそうにケーキを食べるマコの姿がある・・・

「私ね・・・・マコと会った時は 最高に精神的に凹んでる時だったの。
 学校へ行くのも嫌だったし・・・・親はうざいだけの存在で 
 自分の存在価値がわからなくて 死じゃおうかとも思っていた。」

「ああ・・・それで・・・・」

「えっ?なんか言ってた?」

「うん・・・」

「自転車で自殺図った 無謀な女子高生の巻き沿い食って あやうく
 死ぬとこだったって・・・・本当の話だったんだ・・・・」

「あ・・・ア  アハハ・・・・私のことだわ・・・・」

「あの頃 既にあいつ 足がなんかおかしいっていっててさ・・・
 ぶつけたついでに 検査してもらって・・・・その時言われたらしいよ
 精密検査受けた方がいいって・・・・で・・・次の日かな・・・
 精密検査受けて すぐ わかったらしい・・・骨肉腫だって・・・」


「余命も?」

「いや・・・そん時は 診断下っただけでさ・・・・でも、ショックだった
 みたいだ・・・・ここの トイレにこもって 泣いていたって・・・後で
 マスターが教えてくれたよ。」