乃愛と別れ、あたしは重くなった体を押して、自宅へと戻った。


別にひとり暮らしをするだけのお金は十分にあるのだけれど、でもわざわざ家を出る理由はない。


何より、もしかしたらタカが、なんて、6年経った今でも思っているのだから。


やっぱりみんなが言うように、あたしも恋愛のひとつでもすべきなのだろうけど。


ふと脳裏をよぎったのは、先日の結香さんとの会話。



「ねぇ、知ってる?
堀内組ってもうなくなったんだって。」


「え?」


「何かね、跡目のことでゴタゴタして、結局は看板下ろしたって話だよ。」


でも、別にこの世からヤクザという人種が一掃されたわけでもないし、今だって新しい組が色々と引き継いだらしいから。


何よりあたし達には、もう関係のないことなのだ。


息を吐いて頭の中に残ったそれを振り払っていると、ピンポーン、と玄関先からチャイムの音が響いた。


こんな時間に誰なのかと思っていると、



「すいません、宅配便です。」


クロネコのアレだ。


どうせまたお父さんが無駄に好きな健康グッズを通販したに違いない。


と、思い、サインで済ませようとした時、



「あれ?」


差出人の欄が無記名なことに気がついた。


おまけにあたし宛て。



「これ、誰から?」


「さぁ、それはこちらでは、ちょっとわかりかねますので。」


まさか爆弾が入ってる、なんてドラマみたいなことはないだろうけど。


首を傾げながらも荷物を受け取り、ドアを閉めて箱を開けた。