オルゴールの音がゆっくり変わってきた。 音が薄れていっても、箱の中の宝物は自己主張を続けている。 あ、これ。 その中の一つに懐かしさを感じるペンダントを取り出した。 ガラスで出来た雪の結晶をイメージして彫られたもの。 拓海と出会って間もない頃に、初めてプレゼントされたんだっけね。 あれは──