恥ずかしくて、情けなくて、涙が出てきた。


 盛大に転んだ姿を、見られてしまった。


 クラスのギャルに笑われた。

 別にそれは良い。


 彼に、転んだところを見られたのが恥ずかしかった。

 鈍くさい女だなって思っただろうな。



 …どうしてこんなに。


「…はぁ」

 保健室で、傷の手当てをしてもらいながらため息をついてしまった。


「どうしたの?」

「気になってる人の前で、盛大にズッコケたんです…」

 素直にそういってしまって、保険の先生は目を細めた。

「あ、いえ、そのっ…!」

「いいじゃない、青春してるわねぇ」

 先生は、笑った。

 私は、耳まで赤くなるのを感じた。

「…恥ずかしい…」

 膝に貼り付けられた、大きな絆創膏。


 …恥ずかしいな。


 高校生にもなって、両膝すりむくなんて。