キスフレンド【完】


こういう時は、紫苑に決めてもらうのが一番かもしれない。


女の子とデートしたことなんて、数え切れないくらいあるだろうし。


「紫苑が決めて?あたし、そういうの慣れてないから」


「俺も慣れてない」


あっけらかんとそう言い放った紫苑。


あたしは思わず紫苑を横目で睨みつけた。



「いいよ、そんな嘘つかなくても」


「嘘じゃないって」


「だって、紫苑は……――」


女の子との噂がたくさんあるから。


それに、女の子の扱いが上手い。