時計の針が夜の10時を回った。 シロは布団の上でスヤスヤと眠っている。 紫苑はベッドの上で本を読んだり、テレビを見たり、自由気ままに過ごしている。 「……聞かないの?」 「何を?」 あたしがそう尋ねると、紫苑は視線をあたしに向けた。 茶色い瞳がわずかに揺れる。 「こんな大荷物で紫苑の家に来た理由」 いつもどんなに遅くなっても9時には紫苑の家を出る。 それなのに、今日はもう10時を過ぎている。