お父さんが一ノ瀬おばさんに気をとられている間に、あたしはまんまと外に出た。
こんな大荷物で出ていくあたしを見たらお父さんは間違いなく家出を疑うだろう。
気付いたら、止めてくれるかな?
ううん、きっと止めてくれない。
お父さんだって、心の奥底では家族3人で過ごしたいって思ってるはずだから。
口には出さないだけで、お父さんも一ノ瀬おばさんと同じことを思っているに違いない。
「あたし……最低だ」
ネガティブなことばっかり考えてしまう自分が嫌でたまらない。
だけど、今のあたしの心はものすごく不安定で。
今日は、遼くんの4歳の誕生日。
このまま家にいたら、溜りに溜まった感情を家族全員にぶつけてしまいそうだった。
大切な遼くんの誕生日会をブチ壊したりしたくない……。
【友達の家に泊まりにいくから心配しないで 理子】
お母さんにメールを送ると、あたしはバッグを肩にかけて歩きだした。
あたしの居場所に……。
紫苑とシロの元へ。



