「……――お袋、頼むからそういうこと言わないでくれよ!!」 お父さんは夕飯作りを一時中断して、リビングのソファで頭を抱えていた。 携帯で誰かと言い合いをしている。 その相手が誰であるかは、すぐに察しがついた。 一ノ瀬おばさん。 最初からお父さんの携帯に電話をかければよかったのに。 家の固定電話に電話してきたのってもしかして……。 あたしに嫌味を言うため? それとも、お母さんが出たらお母さんに嫌味を言っていた? どっちにしろ、やっぱりあたしは一ノ瀬おばさんが苦手だ。