「一か月……か。ねぇ、あたしも一緒にこの子の面倒見てもいい?」 姫は子猫から視線を外さないで呟くように言う。 「いいよ。姫がいいんなら」 「もちろん。最期の時まで……楽しい思い出をたくさんつくってあげようよ」 姫を家に連れてこようと思い立った時、姫ならそう言ってくれるんじゃないかって勝手に思っていた。 自分の予想が当たったからか、それとも姫が子猫の面倒を一緒に見てくれるのが嬉しいのか。 自分でもどちらかよく分からない。 だけど、子猫を優しい瞳で見つめる姫から目が離せなかった。