キスフレンド【完】


翌日の昼休み。


「あたし、何してんだろ」


一人で屋上にやってきたあたしは、辺りを見渡してポツリと呟いた。


彼がくる保証なんて何もないじゃない。


約束したわけでもないし、


『またここで会ってくれる?』


って言われただけで、時間も日にちも指定されていない。


彼の昨日の言葉もきっとただの気まぐれ。


もしかしたら、からかわれただけかも。


それを真に受けて屋上に来てしまった自分が情けない。


それに、遅刻、早退、欠席が当たり前の彼が今日に限って運よく現れるわけないもん。


それなのにあたし……何期待してるんだろ。