「さ、相良……お前がどうして補習に……?」


赤点なんてとるはずのない紫苑が補習に来ていたことに、先生はビックリしていた。


成績は良いけれど遅刻、早退、欠席の常習である紫苑。


そんな紫苑が、補習には遅れることなく顔を出す。


「家で一人っきりで勉強するより、学校で勉強するほうがはかどるんです」


「おお、そうか!勉強熱心なのはいいことだぞ!!」


先生が紫苑の話にまんまとだまされていたのにはちょっぴり笑えた。



全学年を通して、赤点をとったのは恥ずかしいことにあたしだけ。


ってことは、補習を受けるのもあたしだけ。


だから、先生が教室をあける時間は、あたしと紫苑のふたりっきり。


二人だけの時間。