薄ら目を開けようとした時、紫苑の唇があたしから離れた。 「そろそろ戻る。また、会えるといいね」 紫苑はあたしの頬をそっと指先で撫でると、一人で歩き出す。 地面に寝転んでその背中を目で追いながら、キュッと唇を噛み締めた。 細い体のライン。 だけど、あたしの腕を引っ張る力はやっぱり強くて。 紫苑が男だって実感する。