キスフレンド【完】

「僕が配るね」


カードを配っている遼君。


だけど、何故か4人分しか配られていない。



「ねぇ、遼君。紫苑の分が足りないよ?」


理子がそう言うと、遼君はハッとしたように頭をポリポリかいた。


「あっ、そうだった!!いつもの癖で。お兄ちゃんごめん!!」


「大丈夫。今回はパスするから。俺以外のみんなでやって?」


何気なくそう答えると、遼君は首をぶんぶんと横に振った。


「ダメ。最初から配りなおす」


「でも、大変だし……――」


「さっき、家族全員でやるって言ったでしょ?紫苑お兄ちゃんはお姉ちゃんの彼氏だし、もう家族の一員だよ」


「家族の……一員……?」


「そう。お兄ちゃんも家族の一員!!」


遼君の言葉に鼻の奥がツーンッと痛んで。


目頭が熱くなって顔を持ち上げると、お父さんとお母さんと目があった。


「遼の言うとおり、紫苑君はもう家族の一員よ」


お母さんにそう言われてお父さんを見ると、お父さんは小さく頷く。