キスフレンド【完】

「そうか……。そんなことが……――」


何度も相槌を打ちながら真剣に話を聞いてくれたお父さん。


お父さんはしばらくジッと手元に視線を落として何かを考え込んだ後、ゆっくりと顔をあげた。


「やっぱり、紫苑君になら安心して理子を任せられそうだよ」


「え?」


「紫苑君の話を聞いていて分かったんだ。紫苑君が何を望んでいるのか」


俺が望んでいるもの……――それは……――。


「時期がきたら、理子と温かい家庭を築くといい」


温かい家庭……。


ずっとずっと、俺が望んでいたもの。


お父さんにそれを見破られて、くすぐったい気持ちになる。


だけど、嫌な気持ちはしない。


「これからもずっと、理子を頼むよ」


そう言われた時、グッと胸に熱いものが込み上げてきた。


認めてもらえたのかは分からない。


だけど、お父さんの言葉がじんわりと胸の中に広がっていく。