キスフレンド【完】

そうか……。紫苑がかたくなにバイトを隠そうとした理由はそれだったんだ。


『今は言いたくない』って言ったのも、あたしを驚かせようとしていたから。


それなのにあたしは紫苑の浮気を疑っていたんだ……。


「紫苑、ごめんね……。紫苑の気持ちに気付かずに浮気してるかもなんて疑って……」


「いいんだよ。理子が喜んでくれるならそれでいい。ていうか、さっきの反応からすると、誕生日忘れてた?」


「う、うん……」


正直に答えると、紫苑はハハッと目を細めて笑った。


キラキラと眩しいほどの紫苑の笑顔に胸がキュンっと高鳴る。



「理子、今日やりたいこととか行きたい場所ってある?まだ時間あるし」


「今日?」


「そう。今日は特別に理子の言うことを何でも聞いてあげるよ」


今日に限らず、紫苑はいつだってあたしのお願いを聞いてくれる。


だけど、紫苑がそういうならば……。


「……行きたいところがあるんだけど、一緒にいってくれる?」


「いいよ」


紫苑はあたしの頭をポンポンっと優しく叩くと、いつものように穏やかな笑顔を見せた