キスフレンド【完】

「……――じゃあ、あとは二人でごゆっくり。邪魔者は消えますから」


俺がそう言うと、田中さんは申し訳なさそうにこう言った。


「紫苑君、僕たちのことで色々と迷惑をかけてごめんね」


「いえ。二人が仲直りできてよかったです」


美波さんと田中さんは、お互い好きなのに少しすれ違ってしまっただけ。


だけど、二人はもう大丈夫だ。


俺がニコリとそう答えると、美波さんはハッと何かを思い出したかのように立ち上がると、鍵のついた小さな金庫を開けて俺に茶封筒を手渡した。


「これ、今日の分のお給料。ずいぶん一生懸命頑張っていたけど、使う当てはあるの?」


涙を指で拭いながらそう尋ねる美波さんに俺はこう答えた。