キスフレンド【完】

「田中さんへの当てつけのために、俺とそういう関係になろうとしてるんでしょ?」


「……――っ」


社員の田中さんと美波さんが深い仲だということは、ほかの社員に聞いてすぐに判明した。


そしていざ、あと少しで結婚となった時、田中さんの浮気が発覚。


二人が別れた直後に俺がバイトに入った。


それを知った時、美波さんの本当の気持ちに気が付いた。


美波さんは俺と関係を持ちたいわけじゃない。


もちろん、俺が好きなわけでもない。


美波さんは、いまだに田中さんが好きで。


だけど、田中さんの浮気をどうしても許せなかったんだろう。


だから、わざと田中さんに見せつけるようなことをしたんだ。


事務所から丸見えの場所に俺を呼び出したのも、そのせいだろう。