【紫苑side】 「……――お疲れ様です」 バイトを終えて休憩所に入ると、そこには美波さんの姿があった。 狭い休憩所の中に美波さんと二人っきり。 椅子に腰かけて缶コーヒーを口に含もうとした瞬間、 「ねぇ、紫苑君」 美波さんは俺の手からパッとコーヒーを取り上げた。 「……飲みたいなら、あげますよ」 今日が最後……。 今日が終われば、もう美波さんと関わることもない。 椅子から立ち上がって歩き出そうとしたとき、 「……――待って!!」 美波さんが突然俺の手を掴んだ。