「……――なぁ、理子ちゃん。紫苑の奴、ようやく人間らしくなってきたよ」
海斗君のその言葉に、なぜか急に目頭が熱くなって。
胸の奥からずっと抑えていた感情が溢れ出した。
「この場は俺たちに任せてよ。理子ちゃんは紫苑のところにいってあげて」
海斗君の言葉に大きく頷くと、ナナは「いってきな」とあたしの背中を押してくれた。
そうだよね。
あたしは、一体に何を恐れていたんだろう。
怖がることなんて何もない。
あたしは紫苑が好き。大好き。
それだけは紛れもない事実なんだから。
「……――ナナ、海斗君、ありがとう!!」
あたしは大きく息を吸い込むと、勢いよく走りだした。



