キスフレンド【完】

「黙って聞いてれば調子にのって。アンタ、いい加減にしなよ」


突然あたしたちの前に現れたナナが右手を振りかざした。


パンっという乾いた音の後、菊池君は左の頬を手のひらで抑えてワナワナと怒りに唇を震わせた。


「くそっ……。なんで俺が女に殴られないといけないんだよ……!!ママにだって殴られたことがないのに…!!このクソ女」


「ハァ!?何それ……――!!ていうか、ママって……――」


ナナが呆れたようにそう言うと、菊池君はそれをさえぎるように口調を荒げた。