キスフレンド【完】

【理子side】


翌日。


「えぇ~!?実家に帰ったって……紫苑君と喧嘩したの!?」


講義を終えて近くのファミレスでナナに昨日の出来事を話すと、ナナは声を上げて驚いた。


「そう。少し距離を置こうって言われちゃった……」


「何か原因でもあるの?」


「原因は……あたしかも」


「理子?どうして?」


「あたしが紫苑の気持ちを考えてあげられなかったから」


『家族のいる理子に、俺の気持ちは絶対に分からない』


そう言った時の紫苑の冷めた瞳。


あたしは紫苑の言うように、何も分かっていなかったのかもしれない。


あたしが軽々しく『家族』という言葉を使ったことに怒ったのかな……?


それとも、浮気を疑ったこと?


少し前に菊池君に家まで送ってもらったこと?


どちらにしても、あたしが紫苑を怒らせてしまったという事実は変わらない。


ハァと息を吐くあたしに、ナナが「ねぇ、あれ……」そう言って窓の外を指差した。