キスフレンド【完】

今まで知らなかった嫉妬という感情。


それは理子を好きだっていう証拠だ。


俺は何を恐れていたんだろう。


菊池の家庭環境を羨んで、そしてひがんで。


菊池の言葉を真に受けて、自分が理子には不釣り合いのような気になっていた。


さっきだって理子の話なんて何も聞かずに、ただ怖くなって逃げただけ。


俺より菊池の方がいいと理子に思われてしまうのが怖くて。


俺は本当にバカだ……。


理子の言葉がすべてなのに。


『紫苑を家族以上に思ってる』


理子はそう言ってくれた。


どうしてその言葉を素直に受け取って信じてあげられなかったんだろう……。


どうして俺は……――。


今更になって理子に気持ちを考える余裕ができた。


多分それは、海斗のおかげだ。