キスフレンド【完】

「紫苑、ようやく人間らしくなったじゃん」


缶ビールをあおりながら、海斗がにやりと笑う。


「何それ。俺、もともと人間だから」


「いや、そうじゃなくて。その菊池ってやつにヤキモチ妬いたんだろ?」


「別にヤキモチなんかじゃ……」


「素直になれって」


今まで嫉妬(しっと)やヤキモチをやいたことなんてなかったのに。


理子と出会ってから、俺は今まで知らなかった感情をたくさん知った。



「人を好きになるのって綺麗ごとじゃないんだって。ヤキモチを焼いたり、喧嘩をしたり。色々なことを乗り越えてこそ、固い絆で結ばれるんだし」


酒の弱い海斗は少しだけ頬を赤らめた。