キスフレンド【完】

少し前から、菊池の存在に苛立ちを覚えていたこと。


理子と楽しそうに話す菊池を見て、腹の奥底から黒い感情が湧き上がってきたこと。


そして、今日。


菊池に言われた言葉の数々。



『そんな家庭環境で、理子ちゃんを幸せにできんの?』


『もし俺に彼女がいて紫苑君みたいな家庭環境の子だって知ったら付き合っていきたくないし。俺の家族も絶対に反対するから』


今までずっと目を反らしていた現実が菊池によって目の当たりにさせられた気分だった。


そして、俺は理子を傷つけた。


今までずっと俺は理子を家族以上だと思っていた。


理子がいるなら、他には何もいらない。


血の繋がりなんて関係ない。


そう思っていたのに……――。