キスフレンド【完】

「なんでアイツがここを知ってたの?」


「え?」


「もしかして、家にアイツを連れてきたことあんの?」


「連れてきたことなんてないよ。ただ、一度家まで送ってもらったことはあるけど……」


ほんの少し前、講義を終えて外に出ると雨と雷で大荒れだった。


その時、菊池君は一度だけ車であたしをアパートまで送ってくれた。


だけど、それはあたしだけじゃない。


同じ講義を専攻している女友達も一緒だった。


だけど、そんな説明をする間を与えず、紫苑は続けた。


「送ってもらったって車で?アイツに?」


「うん。でもね……――」


「アイツ、明らかに理子のこと狙ってる。シャープペン返しに来たなんて絶対口実だから」


「紫苑……、どうしちゃったの?菊池君と何かあった?」


菊池君に不快感をあらわにする紫苑。


あたしがそう尋ねると、紫苑はハァと息を吐いた。