キスフレンド【完】

「俺には家族なんていないから」


「え?でも、さっきお母さんに引き取られたって……」


「その母親も、俺が高2の時に出て行った」


「じゃあ、今までどこで暮らしてたの?親戚の家……とか?」


「そう。さっき、テレビに映ってたホストにハマって子育てもろくにしないあの人妻みたいな母親だった」


早口でまくりたてるようにそう言うと、菊池の表情がみるみるうちに歪んでいった。



俺が可哀想とか、そういう同情の目ではなく……軽蔑の目。


その視線に気付いていたけれど、俺は平然と菊池を見つめた。



「こんなことを俺が言うのもどうかと思うけどさぁ……」


「何?」


「そんな家庭環境で、理子ちゃんを幸せにできんの?」


「……何が言いたいわけ?」


そう聞き返すと、菊池はハァと呆れたように息を吐いた。