キスフレンド【完】

「実はこの間、理子ちゃんにシャープペンを借りちゃって。それを返しにきたんだよね~」


「わざわざそれを返すためだけに?」


「っていうのは口実で、一度理子ちゃんの住むアパートに遊びにきてみたかったんだ」


「遊びに来たかった?」


「そうそう。なんか、綺麗にしてるみたいだね~」


菊池は玄関の扉の隙間から部屋の中を覗き込んでそう言った。


……勝手に見てんな。


イライラを抑えて平常心を保とうとしても、菊池の空気の読めない発言に苛立ちが募っていく。


理子の住むアパートに遊びに来てみたかったって……。


なんだよ、それ。


俺を目の前にしてよくそんなことが言えるな……。


こいつ、何を考えてるんだ……――?