その時、一瞬だけ紫苑の唇に手が触れた。 柔らかくて温かい……唇。 体中に電気が走ったみたいに熱くなる。 キス……したいな……。 しちゃ、ダメだよね。 でも、したい。 だけど、紫苑は誰にもキスはしない。 だからあたしもしちゃダメ。 紫苑の唇にキスできる女の子はいないんだから。