「……じゃあ、納豆でもいいよ。そのかわり……――」 「そのかわり?」 紫苑はニッと口の端を持ち上げて笑うと、あたしの頬にそっと手を添える。 「……――っ」 紫苑の温かい手の平が頬に触れた途端、心臓がドクンッと震えた。 付き合って3年が過ぎた今も、紫苑に触れられただけで体中が熱くなる。 「理子が欲しいんだけど」 艶っぽくて茶色い紫苑の瞳にあたしの顔が映し出される。 「……――んッ!!」 『YES』か『NO』かを選ぶ時間を与えることなく、紫苑はあたしの唇を奪った。