「みんな見てる……――」 「いいじゃん、見させとけば。もう我慢できない」 紫苑はそう言うと、あたしの体をギュッと抱きしめた。 トクントクンと聞こえる心臓の音。 紫苑が生きてる音。 紫苑がそばにいる証。 「やっと見つけた。ここが俺の居場所だ」 もう、一人じゃない。 紫苑はニコッと太陽のような明るい笑顔を浮かべた後、そっとあたしの唇を奪った。 本編:END